リーダー経験 書評

OKRはリーダーを育成してくれる神ツールらしい

期の始まりの時期ですね。「目標を立てて報告せよ」とうるさく言われる時期となってきました。

山根の今いる現場では「OKR」という目標管理ツールを使っています。

本記事では、今期の目標を決めるにあたって、改めてOKRとは何なのか、学び直してみた時の気づきについて書いていきます。

実務で使ったことがある人間の目線で書いているので、参考にしていただけると嬉しいです。

今回学び直しに使った本はこちら。(200ページほどの読みやすい本です)

ITエンジニア6年目の山根です。X(Twitter)やってます。自己紹介,お問い合わせはこちらまで!

そもそもOKRとは

Objectives and Key Results

  • 「組織の成果を最大化する」ための目標管理ツール。
  • 組織の成果=個人の力の合計 + 相乗効果であり、組織~個人のレベルで目線を合わせることでこれを最大化する。
  • 「組織の目的に自分の目的を重ねる」ことで、個々人がワクワクして働けるようになる。
  • Objectives(目的) + Key Results(重要な結果指標)の組み合わせで設定する
  • 定期的なFeedbackが重要

Objectivesの条件

  • 挑戦的であること
  • 魅力的であること
  • 一貫していること

Key Resultsの条件

  • 目的に結びついていること
  • 計測可能であること
  • 容易じゃないが、達成可能な水準を見つけること
  • 重要なものに集中していること(いっぱい目標立てすぎるな)

気づき

以下、書籍を読んで気づきになったところにコメントしていきます。

OKRは「経験の浅いリーダーを育ててくれる」

自分が印象深かった点として、「OKRの導入は、組織だけでなく、現場リーダーにとってもメリットがある」という点でした。

OKRは「目的」を明確に示すことで、リーダーシップの第一歩を、仕組みとしてサポートしてくれます。OKRで設定した「目的」を発信し続けることで、メンバーは方向性を見失わなくなります。

本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR 第4章 OKRが組織力を高める

OKRは、メンバーのマネジメントについて、仕組みとリズムを与えてくれます。そのため、マネジメント経験の浅いリーダーにとって非常に強力なツールになります。

本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR 第4章 OKRが組織力を高める

配属された現場のリーダーが率先してやるべきことは

  1. 何をやって、何をやらないかをメンバーと話して決める(戦略の立案)
  2. それをメンバーと協力して実践する
  3. 適切にフィードバックする
  4. 1~3を繰り返

だと思うのですが、それはOKRを決めて、実行することに他なりませんね。

WHYを考えないと書けないようになってる

実際、リーダーとしてチームのOKRを決める側に立つと、「結局、この仕事って何でやんなきゃいけないんだっけ??」といったWHYをより深く考えるようになりました。

自分の性格上、何も強制力がないと「上から降りてきた仕事をただ捌くだけ」になってしまいがちです。

OKRという仕組み、考えるためのツールがあることでボトムアップ型の組織になりやすいという面はある気がしました。

個人OKRは必須じゃない

本書の後半では、パーソルプロセス&テクノロジー社によるOKR導入事例がインタビュー形式で語られています。その中に面白い一節がありました。

たとえば、エンジニア組織では、個人のOKRを設定しづらい、どうもフィットしない、ということに気づきました。エンジニア組織は、チームとして、コラボレーションの結果何を生み出すか、どんな機能を作ってリリースするのかを追っていかないといけないので、個人の役割ごとに達成度を測ってもあまり意味がなかったのです。(中略)チームのOKRはありますが、個人のOKRは設定していません。チーム全体で同じ目標を追う、という形にしています。

本気でゴールを達成したい人とチームのためのOKR 第7章 OKR導入事例インタビュー

僕は個人OKRが必須な運用しか経験したことがないため、この記述は新鮮でした。

確かに、毎回思うのですが、エンジニアとしての個人OKR、設定しづらいんですよね。

  • 計測可能な目標になりづらい
  • 評価の際にチームOKRに自分がどれだけ寄与したかは測りづらい(定性的な評価になりがち)

というのが率直な感想です。

あるべき論として「OKRと組織の人事評価は分離して考えられているべきだ」というのを聞いたことがありますが、実際問題、しっかり分離するのは難しいような気がしています。

挑戦をOKとするのが大事

とある飲みの場での、上司との会話をご紹介します。

個人OKR立てた後、〇〇さん(上司)にレビューしてもらいますけど、その時〇〇さんは何を見てるんですか?
ん〜、その人の「視座の高さ」を見てるかな。

当時は「視座って何やねん」と思ったのですが、今となってはなんとなく理解できるようになりました。

ポイントは

  • 評価時に見るべきは「達成度」ではなく「成果」
  • より良い成果を出すような行動を起こすために、「視座の高い」OKR設定が重要

だと思います。

自分含め、人間は「目標を設定したけど達成できませんでした」という勇気を持ちづらいので、目標設定を甘めにしてしまいがちです。

ただOKRが期待するのはそうではなく、

  • 挑戦的で、達成できなくても良い目標を作る
  • その目標を追う過程で、自分の出せる成果の幅が広がっていく

という状態です。

OKRという枠組みの解説とは逸れるのですが、そもそも目標を立てる意味について、解説している僕の好きな動画があるので、貼っておきます。

人間の「甘えちゃう」原則(=コンフォートゾーンに居ようとし続ける)について触れながら解説してくださっていてわかりやすいので、もしよければ見てみてください。

まとめ

エンジニア目線で、「OKRって何やねん」について改めて学び直した際の、気づきについてまとめました。参考にしてもらえると幸いです!

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